タランティーノはマドンナにバカにされたことがある。
冒頭にある、例の『レザボア・ドッグス』の与太話の件である。
本筋とは何の関係もない「ライク・ア・ヴァージン」についての解釈。
何の話かわからない方は、ここで説明する気にもならないほど下品な話なので
「レザボア・ドッグス ライク・ア・ヴァージン」でぐぐってください。
映画で自分の歌について延々と語られてるのを知ったマドンナは
「あれはね、恋をしたら何もかもはじめてみたいな気分になるという意味なのよ」
そして極めつけは
「あなた、もう少し人間の心理とか勉強したほうがいいわよ」
・・・恥ずかしい。
確かに「ライク・ア・ヴァージン」を聴いてタランティーノみたいな解釈するほうがどうかしてる。
笑いを狙ったのかと思ってたら「そうじゃなかった」らしい。
タランティーノは「本当に」ああいう内容だと思ってて、誰かれ構わず言ってたらばかにされたので脚本の中でキャラクターに喋らせたんだってさ!
まあ、あんな話してたらマドンナじゃなくてもばかだと思うだろうな。
この男は恋なんてしたこともないんだろうと。
中高生の子がきいても意味がわかるのに。ねえ。
実際に会ったことがある、みうらじゅんさんに
「おまえ、16で初体験って嘘だろ!25とか26だろ!」
と突っ込まれるだけあるわな。(そういわれたとき本人はオタオタしてたそうです)
作品みてたらわかるよ。
見てる映画も千葉ちゃんとか、香港映画とか、深作欣二とか(日本でさえ)女はついていかないような映画ばかりだもん。
『レザボア・ドッグス』とか『パルプ・フィクション』のときは鬼才扱いだったのに、『キル・ビル』とか『デス・プルーフ』になると「まあ、オタク」としかいいようのない映画ばかりを作ってる感じがある。
映画会社のミラマックスで「タランティーノだけはノーチェック」と言われて好きな映画だけを作り続けられるという、幸運な位置にいることだけは確か。
妙なタイミングとだるだるなリズムで下手なんだか狙ってるんだかよくわからない演出だけど、もってくる曲のセンスの良さだけは誰も否定できない。
(たいていの映画は監督は「現場監督」にすぎないけど、タランティーノに関しては曲について語ってもいいはず。彼が好きな曲を使うんだから)
ありものの歌を合わせてるんだけど、これがたいてい、ありえないくらいハマる。
たとえば『レザボア・ドッグス』と『パルプ・フィクション』
タランティーノが評価されてる順は「脚本家」、「監督」そしてずっと下に「役者」だと映画評論家の柳下毅一郎さんが書いてらっしゃったけど「脚本家」よりも「曲を選ぶセンス」はずっと上だ。
■レザボア・ドッグス(タイトルバック)
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別のところで書いた記事の再録です。
2 Responses
この映画見たことなかったので、こういう逸話があったなんて
全然知りませんでした。
ググってみたら、この逸話に驚くというよりも多くの男性のコメントが
「自分もそう思ってました!」的だったことに驚きました。
タランティーノが、というより男はみんなバカなのね。
やっぱり行きつくところは、男女間の恋愛観・価値観の違いなのかも。
>由紀子さんへ
>「自分もそう思ってました!」的だった
えええっ そうなんですか?
私はこの単語検索でこの逸話が出るということしか確認してなかったので中身までちゃんと読まなかったです。
男って即物的ですね。
ああいうことの行間が読めない人たちが多いってことにがっかりです。